私がバスの運転士になって、9年。
それまでは、ダンプカーの運転手をしていましたが、規模の小さな会社でしたし、将来への不安が常にありました。 そんな時、求人誌で大分交通のバス運転士募集の記事が目に止まったんです。

当時、大型免許は持っていたのですが、バスを運転できる二種免許は持っていませんでした。
目に止まった理由は、『大型二種免許取得制度』と書かれてあったからです。就職に当たって、会社が免許取得費用の補助をしてくれるという制度で、早速、問い合わせ、面接を受けました。その後、免許を取りに行き、会社から免許費用を戴きました。

後で知りましたが、私が『大型二種免許取得制度』利用第一号だったようです。

大分交通始まって以来の女性運転士として勤務し、14年が経ちました。大型の運転手をしていたので、入社当時は男性ばかりの中で働くことに抵抗こそありませんでしたが、やはり気を張っていた部分はありましたね。

きっかけは「別大国道をお客様を乗せたバスで走ってみたい」という、単純な想いからでした。当時は、『大型二種免許取得制度』も無かったので、取得後、採用試験を受けました。会社側も初の女性運転士の採用に当たって、トイレや休憩所などについて、気を使ってくれていたんだろうと思います。

入社当時中学生の息子がいましたが、高校卒業まで毎朝お弁当を作ってから出社していました。もちろん、親に協力してもらった部分もありますが、思い返してみても、そこまで苦労したという思い出はありません。

純粋に『バスを運転したい』、『運転士になりたい』と思っている女性は、多いと思います。そのような方は、一度、弊社が開催する『運転体験会』のようなイベントに参加すると良いと思います。実際にバスを運転することもできますし、私たちも仕事内容についてざっくばらんにお話をすることができますので、バス運転士という仕事を肌で感じることができると思いますよ。少しでもバス運転士に興味をお持ちなら、まずは、私が運転するバスに乗っていただくだけでも良いですし。とにかく、女性にバス運転士という仕事について知ってもらいたいですね。

仕事上気をつけているのは、『話す』ことです。運転中にお客様とおしゃべりをするということではなく、必要なアナウンスをしっかりとするということです。バスを運転することだけがクローズアップされるのですが運転士の仕事はサービス業だと思っています。それと責任感はとても大事。『自分の仕事は自分にしかできない』。毎日そう思っています。ベテランも若手も関係なく、自分の仕事にしっかりと責任を持って遂行する。特別なことではありませんが、そうした心構えは必要ですし、それぐらいの緊張感を持っていなければ、お客様を乗せて運行することなんてできないと思います。

お客様から「あなたで良かったわ」、「ありがとう」と声をかけられることがあります。ささやかなことかもしれませんが、「運転士をしていて本当に良かった」と感じ、また頑張ろうと思える瞬間です。お客様を乗せて走るのですから大きな責任を背負っていますが、それだけに働きがいは十二分にあります。興味のある方はぜひ、扉を叩いてみて欲しいです。